空間の余白

総合デザイン学科
インテリアデザインコース
内藤ゼミ

下 宣

 

 公益財団法人 
 商業施設技術団体連合会 
 会長賞 

 奨励賞 

 

コンセプト

私は子どもに、自然の中で枠にとらわれない自由な感性を育んでほしいと思う。
なぜなら、近年、子どもの成長に適している生活環境が減っているように思うからだ。似たよう住居が連なる街並みや、似たような遊具の並ぶ公園など。安心安全で効率的だが、均一で変化の少ない環境が当たり前になっている。
子どもは、大人の創造を超える豊かな想像力を秘めている。しかし、その想像力を発揮する機会が現代の生活環境によって失われているのでないか。自然という変化に富む空間で、子どもが自由に想像し、遊び方を考え、重い想いの過ごし方をする。そのような環境があるべきだと思った。
空間を完全に作りこむのではなく変化が許されるような、不確定さを受け入れるような。誰かに使われていくたび、時間が経っていくたび、様々な風景が生まれてくるような。そのような部分を「空間の余白」と名付けた。
この「空間の余白」をつくることで、子どもが自由に想像を膨らませるきっかけを与えることができるのではないか。
安全と効率が優先された都市では気づけなかったこと、また、ただ自然の中に身を置くだけでは発見できなかったもの。そのような新しい気づきや体験へ導いてくれるきっかけを、スタディ形式で16案設計した。
空間の余白を子どもが想像し彩っていく、そこに建築が秘める豊かさがあると考える。